魔獣戦線という漫画をご存知ですか「エイリアン」で、H・R・ギーガーのアートが流行した事がありました。

「グロテスクな美しさ」が、一般化するきっかけの一つだったと思います。

しかし・・・。

日本には「永井豪」「石川賢」という、「グロテスクな美しさ」を描かせたら右に出るものが居ない巨匠が二人も居るじゃないか、という気がするわけです。

正直、マイナーな漫画です。

誰も名前を知らない様な雑誌に載っていて、途中で打ち切りになっています。

(掲載紙が廃刊となった為)

その為に、ストーリーは無理に完結させた感じになってはいますが、それを割り引いても十分、「スゴイ」漫画です。

ストーリーは、冷酷非情な科学者の父と、それに反抗する息子の話。母親は、父の実験の犠牲になっていて、って、これだけで「あのアニメ」の元ネタっぽいですよね。

主人公の少年は、父の研究の実験台とされ、飼っていた複数の動物(ライオン、熊、鷹など)と、細胞レベルで肉体を融合され「魔獣」となります。

普段は人間の姿ですが、一度、彼が闘う意思を見せ、内部に眠っている「仲間」に呼びかけると・・・体のどの部分にでも「猛獣」の顎が、爪が、翼が顕在化します。

という事で、ダメな人にはダメな漫画です。

絵のインパクトが強すぎ。

もう、今の漫画誌には、連載できないレベルかも知れません。

しかし、鷹の翼で空を飛び、手をライオンの頭部に変えて敵を食いちぎる主人公の姿は、時々、ぞっとするほど美しく見える時があるワケです。

それにしても。

主人公である慎一少年は、動物と融合した為に人間性を失い、あれほどまでに凶暴な戦いをしたのでしょうか?

それとも「復讐の鬼」と化した「人間の精神」こそが、獣性に満ちたものだったのでしょうか・・・?